将棋の囲い方は?初心者がまず覚えたい玉の守り方と基本の考え方

将棋を始めたばかりのころは、攻め方に目が向きやすい一方で、玉をどう守ればよいのか分からず迷いやすいものです。相手に攻められてからあわてて金銀を戻しても間に合わず、「もっと早く囲っておけばよかった」と感じることがあります。

将棋の囲い方は、難しい名前をたくさん覚えることから始める必要はありません。まずは、玉を中央から遠ざける、金銀を玉の近くに集める、逃げ道を残すという基本を押さえるだけでも、崩れにくさはかなり変わります。

前回の将棋で守りが弱い原因では、守りが崩れやすい見落としを整理しました。今回はその対策として、初心者がまず覚えたい囲い方の考え方と練習手順をまとめます。

囲いは玉を安全な場所へ移す準備

囲いとは、玉の周りに金銀などの守り駒を集め、相手の攻めから玉を守る形のことです。将棋は相手の玉を詰ませるゲームなので、自分の玉が危ないまま攻めても勝ち切りにくくなります。

初心者がまず意識したいのは、玉を初期位置のままにしないことです。玉が中央に残っていると、飛車や角の利きが通りやすく、相手の攻めが左右どちらから来ても受けにくくなります。

囲いは「絶対に破られない壁」ではありません。相手の攻めが来るまでの時間を作り、受けや反撃をしやすくする準備です。囲いを作る目的を理解しておくと、形だけを丸暗記するより実戦で使いやすくなります。

まずは居玉を避ける

初心者が最初に覚えたいのは、居玉を避けることです。居玉とは、玉が最初の位置からほとんど動かず、中央に残っている状態です。居玉のまま戦いが始まると、王手がかかりやすく、攻め合いでも不利になりやすいです。

対局が始まったら、いきなり全力で攻める前に、玉を左右どちらかへ移動させる意識を持ちましょう。どちらへ囲うかは戦法によって変わりますが、まずは飛車の位置や自分が攻めたい方向を見て、玉を安全な側へ寄せることが大切です。

序盤全体の考え方は将棋の序盤の勉強法でも整理しています。囲いは序盤の大きな目的の一つとして覚えておきましょう。

玉の近くに金銀を集める

囲いを作るときは、玉だけを動かしても十分ではありません。玉の近くに金銀を集めて、相手の攻めを受け止める形を作ります。特に金は横と後ろに強いため、玉の守りで重要な役割を持ちます。

初心者は、銀を攻めに使いすぎて玉の近くが薄くなることがあります。攻めに出す銀と、玉を守る金銀を分けて考えると、守りが崩れにくくなります。

目安として、玉の近くに金銀が2枚から3枚あると、相手の攻めに対して受けやすくなります。反対に、玉の近くに守り駒が1枚しかない形は、少しの攻めでも危険になりやすいです。

逃げ道をふさがない

囲いを固めようとして金銀を詰め込みすぎると、玉の逃げ道がなくなることがあります。囲いは堅さも大切ですが、逃げる空間も同じくらい大切です。

玉の周りに空いているマスがあるか、そのマスに相手の飛車や角の利きが通っていないかを確認しましょう。逃げ道が一つあるだけで、相手の攻めを一手余分に受けられることがあります。

前回の守りが弱い原因でも触れたように、玉の逃げ道を見ていないと、囲っているつもりでも急に詰みやすくなります。囲いを作るときは、堅さと広さをセットで見るのが大切です。

飛車の位置と玉の位置を分ける

将棋では、飛車を使って攻める方向と、玉を守る場所を分ける考え方がよく出ます。飛車がいる側で戦いが起こりやすいため、玉を同じ側に置くと攻めに巻き込まれやすくなるからです。

たとえば、飛車を右側で使って攻めるなら、玉を左側へ寄せる形が多くなります。反対に、飛車を左側へ振る戦法では、玉を右側へ囲うことが多いです。

これは絶対のルールではありませんが、初心者にとっては分かりやすい目安になります。飛車で攻める場所と、玉を守る場所を分けるだけでも、序盤の方針が立てやすくなります。

初心者が覚えやすい囲いの考え方

囲いには、美濃囲い、矢倉、舟囲い、穴熊など多くの名前があります。ただし、最初から全部を覚える必要はありません。まずは「自分の戦法に合う囲いを一つ」覚える方が実戦で使いやすいです。

振り飛車を使うなら、美濃囲いのように玉を右側へ寄せ、金銀で横から守る形が分かりやすいです。居飛車で矢倉系の将棋を指すなら、金銀を上に組み上げて厚く守る考え方が出てきます。

戦法の選び方は将棋初心者におすすめの戦法も参考になります。戦法と囲いを別々に覚えるより、「この戦法ではこの囲いを目指す」とセットで覚えると続けやすくなります。

囲いを作るときの順番

囲いは、ただ金銀を適当に玉の近くへ動かせばよいわけではありません。初心者のうちは、次の順番で考えると迷いにくくなります。

  1. 玉を中央から動かす – まず居玉を避ける。
  2. 金銀を玉の近くへ寄せる – 守り駒を2枚から3枚集める。
  3. 飛車角の利きを確認する – 相手の大駒が玉に直通していないか見る。
  4. 逃げ道を残す – 守り駒で玉を詰まらせない。
  5. 攻めの準備に移る – 囲いが最低限できたら攻め駒を働かせる。

最初から完璧な囲いを目指すと、攻めが遅れすぎることがあります。最低限の安全を確保したら、相手の動きに合わせて攻めや受けに進むことも大切です。

囲いすぎて攻めが遅れる失敗

囲いを覚え始めると、形を完成させることだけに集中してしまうことがあります。しかし、相手が先に攻めてきているのに、囲いを完成させる手ばかり指すと、受けが間に合わないことがあります。

囲いは大切ですが、対局中は相手も動いています。相手の攻めがすでに近いなら、囲いを完成させるより、歩で止める、攻め駒を取る、玉を逃げるといった受けが必要です。

受け方の基本は将棋の受け方で詳しく整理しています。囲いは受けの土台ですが、受けそのものではありません。相手の狙いに合わせて使うものだと考えましょう。

囲いを見直すチェックリスト

対局中に自分の囲いが安全か迷ったら、次の点を確認すると判断しやすくなります。

  1. 玉は中央に残っていないか – 居玉なら早めに移動を考える。
  2. 玉の近くに金銀がいるか – 守り駒が攻めに出すぎていないか。
  3. 逃げ道はあるか – 金銀で玉を閉じ込めていないか。
  4. 相手の飛車角の利きは通っていないか – 大駒の直通を確認する。
  5. 相手の攻めが近いか – 囲いを続けるか受けるかを判断する。
  6. 囲ったあとに何を攻めるか – 守るだけで終わらないようにする。

このチェックリストは、対局後の振り返りにも使えます。負けた将棋で「どの時点で玉が危なくなったか」を見ると、次の対局で囲うタイミングが分かりやすくなります。

1週間の囲い練習メニュー

囲いは、名前を暗記するより、同じ形を何度も作る方が身につきます。次のように短く練習すると、対局中に迷いにくくなります。

  1. 1日目 – 自分がよく使う戦法を一つ選ぶ。
  2. 2日目 – その戦法で玉をどちらへ囲うか決める。
  3. 3日目 – 金銀を玉の近くへ集める順番を確認する。
  4. 4日目 – 囲いができた局面で玉の逃げ道を探す。
  5. 5日目 – 相手の飛車角の利きが玉に通っていないか見る。
  6. 6日目 – 実戦で囲いを作り、攻めに移るタイミングをメモする。
  7. 7日目 – 負けた将棋で、囲いが崩れ始めた局面を一つ振り返る。

勉強全体に組み込むなら、将棋勉強法のように、対局、復習、短いテーマ練習を分けると続けやすくなります。

よくある質問

初心者はどの囲いから覚えればよいですか?

まずは、自分がよく使う戦法に合う囲いを一つ覚えるのがおすすめです。振り飛車なら美濃囲い系、居飛車なら矢倉や舟囲い系の考え方が出てきますが、最初は名前よりも玉を移動し、金銀を近づける流れを重視しましょう。

囲いは完成するまで攻めない方がよいですか?

必ずしも完成まで待つ必要はありません。最低限玉が安全になり、相手の攻めがまだ遠いなら攻めの準備に移ってもよいです。逆に、相手の攻めが近いなら、囲いを完成させるより受けが必要なこともあります。

囲っているのにすぐ崩されるのはなぜですか?

玉の逃げ道がない、守り駒が足りない、相手の攻め駒が多い、飛車角の利きが通っているなどの原因が考えられます。囲いの形だけでなく、相手の攻めがどこから来ているかを確認しましょう。

囲いの名前をたくさん覚える必要はありますか?

最初からたくさん覚える必要はありません。まずは一つの囲いを実戦で何度も作り、玉の安全、金銀の位置、逃げ道を確認する方が役立ちます。慣れてきたら少しずつ増やせば大丈夫です。

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まとめ

将棋の囲い方で大切なのは、名前をたくさん覚えることより、玉を安全な場所へ移し、金銀を近づけ、逃げ道を残すことです。まずは居玉を避け、飛車の位置と玉の位置を分け、最低限の守りを作ってから攻めに移る流れを覚えましょう。

囲いは完成すれば安心というものではなく、相手の攻めに合わせて使う土台です。対局中は、玉の位置、金銀の枚数、逃げ道、相手の飛車角の利きを確認しながら、守りすぎず攻めに進むタイミングも意識していきましょう。

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