将棋を始めたばかりのころは、序盤で何をすればよいのか分からず、数手で形が悪くなってしまうことがあります。駒の動かし方を覚えても、初手から中盤に入るまでの考え方が見えないと、毎局ばらばらに指してしまいやすいです。
序盤の勉強で大切なのは、長い定跡を丸暗記することではありません。まずは玉をどこへ囲うのか、どの筋から攻めるのか、相手の攻めをどこで受けるのかを、短い手順で確認することです。この記事では、将棋初心者が序盤を勉強するときの順番と、実戦で使いやすくする練習方法を整理します。
序盤の勉強は「形」と「目的」を分けて考える
序盤を勉強するときに最初から細かい変化を追いすぎると、覚える量が多くなりすぎます。まずは、盤面の形と、その形で何を狙っているのかを分けて見ると理解しやすくなります。
たとえば、同じ棒銀でも、銀を前に出す形だけを覚えるのではなく、どの歩を突いて攻めるのか、飛車先をどう使うのか、玉をどの程度安全にしてから攻めるのかを見ることが大切です。形だけを真似すると、相手の受け方が少し変わっただけで手が止まりやすくなります。
定跡そのものの覚え方は、先に将棋の定跡の勉強法で整理しています。この記事では、その前後にあたる「序盤全体をどう練習するか」に絞って見ていきます。
初心者が最初に見るべき3つの場所
序盤で迷ったら、盤面全体を一気に読むより、次の3つを順番に確認すると考えやすくなります。
- 玉の安全 – 自分の玉が中央に残りすぎていないか、囲いに向かっているかを見る。
- 攻める筋 – 飛車先、銀、角のラインなど、どこから攻める予定かを見る。
- 相手の狙い – 相手も同じように攻め筋を作っていないか、早めに受ける必要があるかを見る。
この3つを確認するだけでも、「なんとなく駒を動かす」状態から抜けやすくなります。相手の狙いを読む練習は、将棋で相手の狙いを読むには?でも詳しくまとめています。
最初は10手前後の流れだけでよい
初心者の序盤勉強では、30手、40手と長く覚えようとするより、まず10手前後の基本形を作れるようにする方が実戦で使いやすいです。初手から数えて、どの歩を突き、どの銀を上がり、玉をどこへ寄せるのかを確認します。
この段階では、最善手をすべて覚える必要はありません。大切なのは、毎局同じような形を作り、どこで攻めが始まるのかを体で覚えることです。序盤の基本形が安定すると、中盤で考える余裕も出てきます。
まだ駒の動きや成りに不安がある場合は、先に将棋の駒の動かし方一覧を確認しておくと、序盤の説明も理解しやすくなります。
戦法は一つに絞って練習する
序盤の勉強でよくある失敗は、毎回違う戦法を試してしまうことです。棒銀を少し、四間飛車を少し、中飛車を少しと広げすぎると、それぞれの形が浅くなり、実戦でどれも使い切れなくなります。
最初の1か月は、ひとつの戦法に絞るだけで十分です。攻めを分かりやすく覚えたいなら棒銀、落ち着いて形を作りたいなら四間飛車、中央から攻めたいなら中飛車のように、自分が続けやすいものを選びます。戦法選びは将棋初心者におすすめの戦法で整理しています。
一つに絞ると、負けた原因も見つけやすくなります。毎回違う戦法では、手順の問題なのか、終盤力の問題なのか、受け方の問題なのかが分かりにくくなります。同じ形を繰り返すことで、改善点が見えやすくなります。
序盤ノートは「失敗した局面」だけでよい
序盤を勉強するときに、ノートをきれいにまとめようとしすぎる必要はありません。初心者のうちは、実戦で困った局面だけを短く残す方が続けやすいです。
書く内容は、次のような簡単なもので十分です。
- どの戦法を指したか
- 何手目あたりで迷ったか
- 攻める前に玉が危なくなっていなかったか
- 次に同じ形になったら何を試すか
正解を長く書くよりも、「次に同じ失敗をしないための一言」を残す方が役に立ちます。序盤ノートは暗記帳ではなく、実戦の振り返り用と考えましょう。
詰将棋と棋譜並べも少し混ぜる
序盤だけを勉強しても、勝ち切れないことがあります。序盤でよい形を作っても、中盤で駒を取られたり、終盤で詰みを逃したりすると、勝ちにつながりません。
そのため、序盤の勉強は詰将棋や棋譜並べと少しだけ組み合わせるのがおすすめです。たとえば、序盤の練習を15分、詰将棋を5分、棋譜並べを10分のように分けると、バランスよく続けられます。
棋譜並べの基本は棋譜並べのやり方と効果で、全体の勉強順は将棋勉強法は何から始める?で整理しています。
アプリやAIは答え合わせとして使う
将棋アプリやAI検討は便利ですが、序盤の勉強で最初から評価値ばかり見ると、なぜその手がよいのか分からないままになりやすいです。初心者のうちは、まず自分で狙いを考えてから、あとで確認する使い方が向いています。
対局後に「この時点で玉が危なかったか」「攻める場所が間違っていなかったか」「相手の狙いを見落としていなかったか」を確認するだけでも十分です。細かい評価値よりも、次の対局で直せるポイントをひとつ見つけることを優先しましょう。
勉強用アプリの選び方は将棋アプリおすすめは?も参考になります。
1週間の序盤練習プラン
何から始めるか迷う場合は、まず1週間だけ小さく試してみましょう。
- 1日目 – 戦法をひとつ選び、最初の10手前後を確認する。
- 2日目 – 同じ形で3局指し、迷った局面をひとつだけメモする。
- 3日目 – メモした局面を定跡記事や棋譜で確認する。
- 4日目 – 同じ戦法で再度3局指し、攻める場所を意識する。
- 5日目 – 相手の攻め筋を1つだけ見る練習をする。
- 6日目 – 棋譜並べで同じ戦法の成功例を1局見る。
- 7日目 – 1週間で一番多かった失敗をひとつだけ直す。
短い期間でも、同じ形を繰り返すと自分の苦手が見えてきます。うまくいかなかった日があっても、戦法をすぐ変えるのではなく、まずは同じ形で原因を見つける方が上達につながりやすいです。
よくある質問
序盤の勉強は定跡を覚えることですか?
定跡を覚えることも含まれますが、それだけではありません。玉の安全、攻める筋、相手の狙いを見ながら、序盤の目的を理解することが大切です。
初心者は何手目まで覚えればよいですか?
最初は10手前後で十分です。長い変化を覚えるより、同じ基本形を作れるようにして、実戦で迷ったところだけ確認していきましょう。
序盤で毎回負けるときはどうすればよいですか?
戦法を増やす前に、同じ形でどこが悪くなっているかを確認します。玉が危ないのか、攻める場所が違うのか、相手の狙いを見落としているのかを分けると直しやすいです。
本や動画は必要ですか?
必須ではありません。まずはアプリや短い解説で形をつかみ、続けたい戦法が見えてから本や動画で詳しく確認すると、無駄になりにくいです。
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まとめ
将棋の序盤の勉強では、長い定跡を丸暗記するより、玉の安全、攻める筋、相手の狙いを確認することが大切です。最初は一つの戦法に絞り、10手前後の基本形を作れるようにしましょう。
実戦で困った局面だけをメモし、定跡、棋譜並べ、アプリの答え合わせを組み合わせると、少しずつ序盤の形が安定していきます。毎局完璧に指そうとせず、同じ失敗を一つずつ減らしていきましょう。
