将棋の囲いを組み直す方法は?崩れたあとに金銀を戻す判断と立て直し方

将棋で囲いが崩れたあと、すぐに元の形へ戻そうとして失敗することがあります。金を戻したら玉の逃げ道がなくなった、銀を寄せたら別の場所から王手された、という形は初心者にも起こりやすいです。

囲いを組み直すときに大切なのは、元の形を再現することではありません。相手の次の王手を消し、打ち込みの場所を減らし、玉が逃げる道を残すことです。

前回の将棋で玉頭を攻められたときの受け方では、玉の近くを攻められたときの歩、銀、桂馬への対応を整理しました。今回はその続きとして、崩れた囲いをどう立て直すかを初心者向けにまとめます。

囲いは元通りに戻せばよいとは限らない

囲いが崩れると、最初に組んだ形へ戻したくなります。しかし対局中は、相手の駒が進んでいたり、持ち駒が増えていたり、玉の位置が変わっていたりします。序盤と同じ形に戻しても、安全になるとは限りません。

たとえば金を一枚戻す手が自然に見えても、その金で玉の逃げ道をふさいでしまうことがあります。反対に、形は少し悪くても、相手の銀打ちを防ぐ位置へ金を置く方がよい場合もあります。

組み直しは「きれいな囲いを作る作業」ではなく「次に受けにくい手を消す作業」と考えましょう。この考え方を持つだけで、無理に形を直して一手遅れる失敗を減らせます。

最初に相手の次の王手を消す

囲いを組み直す前に、相手の次の手が王手になるかを確認します。王手を放置して金銀を戻しても、そのあとに受けが間に合わないことがあります。

見る場所は、玉の前、斜め前、横、逃げ道の先です。相手が金、銀、桂、歩を持っているなら、その駒を打たれてすぐ王手にならないかを考えます。飛車や角の利きが通る場所も同時に確認します。

王手を消す手が複数あるときは、玉の逃げ道を残す手を優先します。金銀を寄せる、歩を打つ、玉を一つ動かすなど候補はありますが、まずは「次に王手されないか」を基準に選びましょう。

金銀を戻す前に逃げ道を見る

囲いを立て直すとき、金銀を玉の近くへ戻すのは自然な発想です。ただし、金銀を近づけるほど玉の周りのマスが埋まり、逃げ道が狭くなることがあります。

特に、玉の左右どちらかが広い場合は、その方向を残しておくことが大切です。相手の攻めが片側に集中しているなら、金銀を戻すより玉を広い方へ逃がす準備をした方が安全なこともあります。

玉の逃げ道を見る流れは将棋で玉の安全を高める方法と同じです。金銀を戻す前に「この手で玉の出口をふさいでいないか」を一度確認しましょう。

守り駒は戻すより働かせる

崩れた囲いでは、金銀を元の場所へ戻すより、相手の攻め駒に利く場所へ動かす方がよい場合があります。守り駒は、ただ玉の近くにいるだけではなく、相手が打ち込みたいマスを守っていてはじめて役に立ちます。

たとえば玉の前に空間ができているなら、そのマスを金や銀で守る手が候補になります。斜めから銀を打たれそうなら、斜め前のマスへ利きを足します。桂馬の王手が怖いなら、桂馬を打たれる地点を埋めることもあります。

囲いの基本形は将棋の囲い方で復習できます。ただし実戦で組み直すときは、基本形そのものより「どのマスを守っているか」を優先して見ましょう。

取られた守り駒は持ち駒で補う

囲いが崩れると、金や銀を一枚取られて守りが薄くなることがあります。このときは、盤上の駒だけで元通りにしようとせず、持ち駒を使って補う発想も必要です。

歩を打って攻めの入口をふさぐ、金を打って詰めろを消す、銀を打って相手の打ち込み場所を先に埋めるなど、持ち駒は守りにも使えます。攻めるために温存したい気持ちはありますが、自玉が危ない局面では受けに使う方が価値があります。

ただし、持ち駒を打つときは重くなりすぎないようにします。守り駒を増やしても、玉の逃げ道がなくなるなら危険です。持ち駒を使うときも、王手を消すことと逃げ道を残すことをセットで考えましょう。

歩で一手稼げる場所を探す

囲いを組み直す余裕がないときは、歩の一手で相手の利きを止めるだけでも大きな受けになります。飛車や角の筋を止める、銀が入ってくるマスをふさぐ、桂馬を支える地点を消すといった受けです。

歩は安い駒なので、金銀を動かすより柔軟に使えます。相手の攻め駒を完全に追い返せなくても、一手遅らせることで金銀を戻す余裕や玉を逃がす余裕が生まれることがあります。

ただし、歩を打つ場所を間違えると自分の玉の逃げ道をふさいでしまいます。歩を打つ前に、そのマスが玉の出口になっていないかを見ましょう。

玉を逃がす立て直しもある

囲いを組み直すというと、金銀を戻して守りを厚くするイメージがあります。しかし実戦では、玉を安全な場所へ移してから守る方が分かりやすいこともあります。

相手の攻め駒が玉の近くに集まりすぎている場合、その場所で受け続けるのは危険です。金銀を足しても王手が続く、持ち駒を打っても次の打ち込みが残るなら、玉を広い方へ動かす手を候補に入れます。

これは逃げではなく、立て直しの一つです。玉が広い場所へ移れば、相手の攻め駒の働きが弱くなり、残った金銀を自然に使いやすくなります。

終盤では組み直さない判断も必要

終盤に入ると、囲いを組み直す一手が間に合わないことがあります。相手玉に詰みがある、自玉に詰めろがかかっている、次の王手が厳しいという場面では、形を直すより具体的な一手が重要です。

自玉が詰まないなら、相手玉へ詰めろをかける方が勝ちに近いこともあります。反対に、自玉が詰めろなら、その詰めろを消す手を選ぶ必要があります。金銀を戻す手が見た目に自然でも、詰めろが消えていなければ受けになりません。

終盤の考え方は将棋の終盤の考え方でも整理しています。終盤では「囲いを直すか」ではなく「詰み、詰めろ、王手が消えているか」を先に見ましょう。

囲いが崩れたときの順番

対局中に迷ったら、次の順番で確認します。

  1. 次の王手を消す – 金銀を戻す前に、相手の王手や打ち込みを確認します。
  2. 玉の逃げ道を残す – 守り駒で出口をふさがないようにします。
  3. 打ち込みのマスを埋める – 銀、金、桂、歩を打たれて困る場所を消します。
  4. 守り駒の利きを足す – 元の位置ではなく、今必要なマスを守ります。
  5. 終盤なら詰みと詰めろを見る – 組み直す一手が間に合うかを確認します。

この順番は、基本的な将棋の受け方にもつながります。受けは形ではなく、相手の次の狙いを消すことから考えます。

やってはいけない組み直し方

囲いを立て直す場面で、初心者が避けたい手もあります。

  1. 何も見ずに金を元の場所へ戻す – 王手や打ち込みが残ることがあります。
  2. 玉の逃げ道を全部ふさぐ – 守ったつもりで詰みやすくなります。
  3. 持ち駒を攻めに温存しすぎる – 自玉が危ない局面では守りに使う方が大切です。
  4. 終盤で形だけ直す – 詰めろが消えていなければ意味がありません。

囲いが崩れた原因を知っておくと、同じ崩れ方を避けやすくなります。まだ確認していない場合は将棋で囲いが崩れる原因もあわせて読むと、立て直しの判断がしやすくなります。

よくある質問

囲いは崩れたらすぐ元に戻すべきですか?

すぐ元に戻すとは限りません。相手の次の王手や打ち込みを消す方が大切です。元の形に戻しても危険が残るなら、別の受けを選びましょう。

金と銀のどちらを戻せばよいですか?

駒の名前ではなく、守りたいマスで決めます。相手が銀を打ちたいマス、桂馬で王手したい地点、飛車角の利きが通る筋を見て、そこへ利く駒を使います。

持ち駒を守りに使うのはもったいないですか?

自玉が危ないときは、守りに使う価値があります。歩一枚で王手や打ち込みを止められるなら、それだけで一手分の余裕ができます。

終盤でも囲いを組み直してよいですか?

詰みや詰めろがないなら候補になります。ただし終盤は一手の価値が大きいので、まず自玉が詰まないか、相手玉に詰みがないかを確認しましょう。

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まとめ

将棋で囲いを組み直すときは、元の形に戻すことだけを目標にしないようにしましょう。まず相手の次の王手を消し、玉の逃げ道を残し、打ち込みの場所を減らします。そのうえで、金銀や持ち駒を今必要なマスに働かせると、立て直しやすくなります。

終盤では、囲いを直す一手が間に合わないこともあります。形よりも詰み、詰めろ、王手を優先して確認し、玉を逃がす、歩で止める、守り駒を足すなど、その局面で一番危険を減らせる手を選びましょう。

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